生前贈与が注目されている理由は?相続とどう違うの?
平成27年度に行われた税制改正によって、
相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられました。
税金を払うか、払わないかのボーダーラインが下がったので
相続税が発生するケースが増えたことになります。
そのため近年では節税対策として
生前贈与が注目されています。
生前贈与とは文字の通りで、
財産を渡す人が存命のうちに誰かに渡すことです。
本来は「贈与」も同じ意味を指すのですが
近年の相続税対策の一環として強調されるようになりました。
(財産を貯め込んだまま亡くなってしまうと
相続税のボーダーラインを超えてしまったり
課税遺産総額が大きくなったりする可能性があるので
存命のうちから、ある程度渡しておこう。)
こういう算段で行われることが多いです。
生前贈与が注目されている大きな理由は
自分の意思で贈与したい相手に確実に財産を渡せることです。
相続の場合、亡くなった方・相続する方双方の意思にかかわらず
法則に基づいて必ず発生するものです。
誰にどれくらい渡すのかなどは、あらかじめ遺言書を作成して
意思を示しておく必要があります。
仮に遺言書に不備がある場合は
亡くなった方の意思通りにならないケースもあります。
一方で生前贈与の場合は、贈与したい相手を自由に選ぶことができ、
双方の意思があれば口約束でも法律上は問題ありません。
(※トラブル回避のため贈与契約書の作成が推奨されています。)
多少の手間がなく贈与する側の意思通りに財産を贈与できることが
生前贈与の大きなメリットになります。
ただし、注意点もあります。
土地や不動産などの贈与は別の税金が発生します。
名義変更の際に登録免許税や不動産取得税などが発生します。
この2つに関しては相続の場合だとほとんど発生しないので
(登録免許税は0.4%、不動産取得税は無税)
費用と節税効果が見合っているか確認が必要です。
また、相続の時点から3年以内に行われた贈与は、
贈与ではなく相続として扱われます。
こちらはあくまで相続人を対象としたものなので
たとえば子を相続人とした場合の孫やひ孫については対象になりません。
お年玉などは問題ないということですね。
そもそも贈与とみなされないケースもあり、
実際に節税効果があるのか、税務上確かに贈与と認められるかどうかは
見極めるのが難しくなっています。
確実な贈与と節税対策をしたいのであれば
税理士や司法書士などの専門家に頼るのが賢明です。
贈与や相続に関するあらゆるトラブルを未然に防ぐためにも
あらかじめ専門家に相談した方が良いです。
各事務所では無料相談を受け付けている事務所もありますので
気軽に相談してみてはいかがでしょうか?